http://www.youtube.com/watch?v=cpIdh-1DqCg
卡格-埃勒特(1877-1933)出生於1877年,是德國當時主要的館風琴音樂作曲家,1919年在萊比錫音樂院學習,之後在該院任職,1933年逝於萊比錫。早期受德布西、史克里亞賓和荀白克影響,此後在印象派、文藝復興時期和巴洛克複音音樂影響下,形成獨創風格,曾赴美國舉行管風琴巡迴演奏會。卡格-埃勒特對長笛作品有重要的貢獻,但是卻比較少有後人探索。他的音樂在20世紀幾乎少為人之的原因有好幾種,包括當時法國長笛曲盛行、作品的可德行及演奏難度。因此卡格-埃勒特以投入管風琴作曲聞名,以致於其它的長笛作品相對的受到忽略。相較於卡格-埃勒特的其它長笛曲,他沒有訂出曲名,有沒有為樂章命名,只稱作奏鳴曲,鋼琴部分的份量與長笛相當,各樂章都以ABA的曲式呈現。這首奏鳴曲流露出豐富的情感,段落間的速度常常不地轉變,總共可分三個樂章,但是不間斷的演奏,一氣呵成,作曲家宛如以色彩鮮豔的畫盤,彩繪出曲中的意境。
系統編號: 094FJU00248065
出版年: 95
研究生: 黃子玲
研究生(英文姓名): Huang, Tzu Lin
論文名稱: 卡格-埃勒特:《交響短歌》作品研究及詮釋探討
英文論文名稱: Research and analysis of "Sigfrid, Karg-Elert: Sinfonische Kanzone"
指導教授: 游雅慧
指導教授(英文姓名): Christine Yu
學位類別: 碩士
校院名稱: 輔仁大學
系所名稱: 音樂研究所
學年度: 94
語文別: 中文
關鍵詞: 卡格-埃勒特 ; 交響短歌 ; 印象主義 ; 管風琴家 ; 作曲家 ; 演奏家 ; 教育家 ; 三十首長笛練習曲
英文關鍵詞: Karg-Elert ; Sinfonische Kanzone ; 30 Studies,op. 107
[ 摘要 ]
卡格-埃勒特(Sigfrid, Karg- Elert, 1877-1933)二十世紀前半期的德國作曲家,他同時也是ㄧ位管風琴家、鍵盤演奏家、音樂理論家以及音樂教育家。
這首《交響短歌》有明顯的後期浪漫風格,融合印象主義 、表現主義 及新古典主義 的手法來創作。作品中可見短小的動機發展、不停轉換的調性、豐富的和聲色彩、對比的旋律主題等特性,雖然他並非大眾所熟知的作曲家,但這些作曲上的特色,令人在欣賞過後會ㄧ再回味,在音樂會上也逐漸成為受歡迎的曲目。
http://tw.myblog.yahoo.com/jw!eCvvQByBGRgN2uT03Jo7jAveCA--/article?mid=344&prev=359&next=-1
Sigfrid Karg-Elert(1877-1933)
二十世紀初期有名的作曲家,樂曲作品等身,最廣為人知的有聖詠曲集、室內樂(為了鋼琴、管風琴、大鍵琴而寫)。
出生於德國的Oberndorf am Neckar,於萊比錫的Conservatory學習音樂,1919年成為該校教師。他的作品大大的影響了後進作曲家的作品風格,其中包括了Claude Debussy、Aleksandr Scriabin和Arnold Schoenberg。
Karg-Elert的作品十分受美國、英國、法國愛樂者的歡迎(尤其是寫給管風琴演奏的曲目),1933年時,他甚至前往美國舉行了一場演奏會,但卻不甚成功,1933年後期Karg-Elert生了一場重病也奪去他的生命,死後葬於萊比錫。之後他的作品逐漸式微,直至1970年代後期方才開始復甦。
"Nun danket alle Gott" 是Sigfrid Karg-Elert最廣為人知的作品之一,取自於66首 Chorale-Improvisations(為管風琴而作之聖詠即興曲,作品編號第65)被形容為近代以來最具原創性及影響性的聖詠曲。他的管風琴即興聖詠曲多於1908~1910年間完成。Karg-Eler的傳記作家Wolfgang Stockmeier針對作品第65號的管風琴即興聖詠曲做過以下表示:「『第65號管風琴聖詠曲』為自巴赫以降,達到顛峰且百年來已然不再活躍、失去活力的對位法寫作之管風琴聖詠曲再次帶來新的氣息。」
Sigfrid Karg-Elert
http://www.geocities.co.jp/MusicHall/6119/museum/kargelert/index.html
シークフリート・カルク=エレルト Sigfrid Karg-Elert (1877-1933)
ドイツの作曲家。本名シークフリート・テオドール・カルク。1877年11月21日オベルンドルフに,新聞紙の編集長をしていた父ヨハン・バプティスト・カルクと母マリー・フリードリク・ニー・エレルトの間に,12人兄弟の末子として生まれる。病弱な父は程なく他界。一家の家計を長姉が支えるという状況のもとに育ち,教会の宣教師であったブルーノ・ロツィヒ(Bruno Rothig)から音楽教育を受ける。エミール・ニコラウス・フォン・レツニチェックに見いだされてライプツィヒ音楽院へ進学するものの,ロツィヒの勧めもあって教師の道を歩むべく14歳でグリンマへ出向。音楽への情熱絶ちがたく,マルクランシュタット(Markranstadt)で3年間を過ごし,独学で楽典を修得した。次いでライプツィヒに戻り,楽団員やバーのピアノ弾きをしながら活動したのちライプツィヒ音楽院へ進学。パウル・ホマイヤー(Homeyer)にオルガン,サロモン・ヤダッソーンとカール・ライネッケに楽典を学び,1901年からはロベルト・タイヒミュラーの作曲法クラスで学ぶ。1902年にマグデブルグ音楽院のピアノ科教師となり,カルク=エレルトに改名。ライプツィヒへ戻ったのちエドゥアルド・グリーグの擁護を受け,彼の薦めで作曲活動への専心を決意。ノルウェイ表記のSigfrid,両親の名前をとってKarg-Elertに再改名。演奏活動をする傍ら,1911年以降ライプツィヒ音楽院で楽典と作曲法の教鞭を執りながら生涯を送った。晩年には海外でも評価され,1930年にはロンドンでカルク=エレルト・フェスティヴァルが開催。ピッツバーグのカーネギ 財団研究院でオルガン講師も務めている。作風は,初期にはメンデルスゾーン,グリーグ,シューマンの影響下にあり,後にドビュッシー,シェーンベルク,スクリャービンの影響のもと,より近代的な書法を採り入れたとされる。1933年4月9日,ライプツィヒで死去。
主要作品
※Sceats, G. 1950. The organ works of Karg-Elert. Hinrichsen Edition.入手。時間が出来たら作品表更新します。
管弦楽曲 ・ヘ長調の短い交響曲 Sinfonia brevis, op.1 (1897) ... 未出版
・組曲 Suite, op.21 (1902) ... Bizet: Jeux d'enfantsによる
・交響的行進曲【】 Deutsche Helden, (1915) {winds}
・室内小交響曲 イ長調 Kammersinfonietta (1918-1919) {chamber} ... 未出版
・交響曲 sinfonie (-) {orch}
協奏曲 ・ピアノ協奏曲第1番 ニ短調 Klavierkonzert No.1, op.6 (1900) {p, orch} ... 未出版
・ピアノ協奏曲第2番 変ニ長調 Klavierkonzert No.2 (1913) {p, orch} ... 未出版
室内楽 ・木管三重奏曲 ニ短調 Trio, op.49 (1902) {ob, e-hrn, cl}
・木管五重奏曲 ハ短調 Quintet, op.30 (1904) {ob, 2cl, hrn, bssn}
・ Etüden-schule, op.41 (1905) {ob/e-hrn}
・チェロ・ソナタ イ長調 Sonata, op.71 (1907-1908) {vc, p}
・パルティータ ニ長調 Partita, op.89 (1910) {vln}
・ヴァイオリン独奏のソナタ ホ短調 Sonata No.1, op.88 (1910) {vln}
・特徴的な小品 10 Leichte Charakterstudien, op.90 (1911-1912) {2vln} ... 1, 3, 4, 7, 8番をピアノ伴奏付の【喜遊曲】(op.90b)1920年に改訂
・小ソナタ ハ長調 Little sonata, op.68 (1914) {vln, p}
・【グラドゥス・アド・パルナスム】による奇想曲 30 Capricien 'Gradus ad Parnassum', op.107 (1918-1919) {fl}
・ソナタ・アパッショナータ 嬰ヘ短調 Sonata appassionata, op.140 (1917) {fl}
・交響的カンツォーネ 変ホ長調 Sinfonische kanzone, op.114 (1917) {fl, p}
・フルート・ソナタ 変ロ長調 Sonata, op.121 (1918) {fl, p}
・ Trio buccolico, op.121b (1918-1925) {fl, vln, p} ... フルート・ソナタを改訂したもの
・異国の印象 Impressions exotiques, op.134 (1919) {fl (pic), p}
・ Suite pointillistique, op.135 (1919) {fl, p}
・若さ Jugend, op.139 (1919) {fl, cl, hrn, p /cl(vla), p} ... ソナタ第二番(op.139b)と同一
・8つの小品 8 Pieces, op.112 (1922) {vln, p}
・クラリネット独奏のソナタ 嬰ハ短調 Sonata, op.110 (1924) {cl}
・25の奇想曲とソナタ 25 Capricien und Sonate, op.153 (1929) {sax}
・オーボエ・ソナタ sonata für oboe und klavier (-) {ob, p}
・ピアノ三重奏曲 klaviertrio (-) {vln, vc, p?}
・フルート独奏ソナタ sonate in einem Staz (-) {fl}
・主を讃えよ praise the lord (-) {org, winds}
オルガン曲 ・コラール即興曲 choral improvisationen (1908-1910)
・10の特徴的な音を持つ小品 zehn charakterische tonstüke (1911)
・3つの水彩画 drei pastelle (1911)
・4つのコラール風即興曲 choral improvisationen, op.65 (1914)
・三部作 triptychon (1930)
・ワルツ valse mignonne (1930)
・印象的な万華鏡 späteren kaleidoskops (1930)
・ヘンデルへの讃歌 hommage to Handel (-)
ハーモ
ニウム曲 ・パッサカリア passacaglia (1905)
・33の肖像 33 portraits (1913)
・交響的コラール symphonic chorale (-)
ピアノ曲 ・旅の写真 reisebider (1895)
・3つのワルツ=カプリス 3 walzer-capricen (1899)
・アラベスク arabeske (1900)
・ワルツの風景 walzerszenen (1901)
・バガテル bagatellen (1902)
・北方より aus dem norden (1903)
・4つの小品 4 stücke (1903)
・デカメロン dekameron (1904)
・我が故郷から aus meiner schwabenheimat (1905)
・シャコンヌとフーガ,三部作とコラール chaconne and fugue, trilogy with chorale (1908)
・3つのソナティナ three sonatinas (1909)
・ヒースの茂る原野 heidebilder (1920)
・ヘクサメロン hexameron (1920)
・パルティータ partita (1922)
・パルティータ partita (1924)
・ schwere düfte (1932-1933?)
合唱曲 ・ 4 Mannerchore, op.55 (1907)
・ 15 geistliche frauenchore, op.44 (1908) {3-4vo}
・ Pfingst-Motette, op.60 (1909) {solo-vo, 8vo, org} ... 未出版
・ Das christliche Kirchenjahr (1909)
・大勝利 Triumph, op.79 (1912)
・ Bs, op.82-1 (1912) {choir, vln, hrp, org}
・ Vom Himmel hoch: chorale canzone, op.82-2 (1912) {choir, vln, org}
・ Nearer, my god to thee: canzone, op.81 (1913) {solo-vo, choir, orch}
・ Die grablegung Christi: passion canzone, op.84 (1913) {sop, choir, ob, e-hrn, org}
・レクイエム・エテルナム Requiem aeternam, op.109 (1913) {8-12vo}
・ Die Verhullten (1914) {4-8m-vo} ... unpubd, R. Dehmel
・ 2 Mannerchore (1915) {choir}
・ 6 Frauenchore, op.59 (1920) {choir}
・ 2 hymns (1920) {alto (bass), choir, orch /a-fl, hmn, p} ... 未出版, R. Tagore詩
・ Ps i, woo 63, (1922) {vo, choir, org(orch)} ... 未出版
・ Mass, b, woo 64 (1923-1927) {solo-vo, choir, orch, org} ... 未完,未出版
歌曲 ・8つの歌 8 Lieder, op.11 (1898-1900) ... J. Uhland, T. Storm, F. v. Bodenstedt, A. Trager, A. Christen
・3つの歌 3 Lieder, op.4 (1900) ... L. Tiecke, R. Prutz, ?Grosse
・ 6 Lieder im Volkston (Uhland, G. Falke, J Ambrosius, A. Ritter, L. Ganghofer, B. Baumgarten), op.12, 1901?2
・ Schone Augen (Ambrosius), 5 songs, op.24, 1v, vn, pf, 1904;
・ Die Kunstreiterin, op.19 (1905) ... Christen詩
・ 8 Gedichte, op.52 (1905) ... H. Allmers, O. v. Leixner, F. Avenarius, F. Avenarius, F. Ruckert, F. v. Saar, M. Barth, E. zu Schonaich-Carolath, K. Woermann詩
・ Stimmen und Betrachtungen (J. Mosen, K. Muller, H. Heine), op.53, 1905;
・ An mein Kind (A. Trager, Karg-Elert), 3 songs, op.40, 1906
・ An mein Weib (R. Dehmel, Ruckert, T. Schafer, M. Itzerott, Muller, E. Rittershaus), 6 songs, op.54, 1906;
・ 2 Gedichte (F. Evers, Dehmel), op.43, 1907;
・10のエピグラム 10 Epigramme (F. Lessing), op.54, 1907;
・ 10 Impressionen und Gedichte (A. v. Wegerer), op.63, bk 1: 3 Rosenlieder, bk 2: 5 Gedichte, bk 3: 2 Madrigale, 1907?8;
・ 7 Gedichte (Barth), op.62, bk 1: 4 Gedichte, 1907, bk 2: 3 Nixenlieder, 1908;
・ 3 Geistliche Gesange, op.66 (1909) {vo, vln, org (hmn)} ... A. Hertz
・ 6 Kreigeslieder im Volkston, op.111 (1914) ... Dehmel
・ 2 Gesange (unknown poet), op.98, 1v, org, 1914;
・ Trostungen Nos.1, 4, 5, 8, op.47 (1918) {vo, hmn} ... G. Schuler, Bible, E. Morike
・ Deingedenken, op.58-2 (1919) {vo, hmn} ... Karg-Elert
・ Musik: Todesahnung (G. Herwegh), 1v, vn, vc, fl, cl, pf, woo 62, 1922;
・ 12 Gesange (J. Scherff), woo 42, bk 1: Ein Jahr 1918, bk 2: Einsame Gesange, 1922
カルク=エレルトを聴く
★★★★☆ "Sonata in B major / Impressions Exotiques / Chaconne / Sinfonische Kanzone / Suite Pointillistique / Sonate in Einem Satz / Jugend*" (Hungaroton : HCD 31925)
Gergelly Ittzés (fl, piccolo) Jósef Gábor (p) Csaba Klenyán (cl)* Gergely Sugár (hrn)*
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何とも胡散臭いハンガリーのレーベル【ハンガロトン】から出たこのCD,しかし中身の方はといえば大違い。専らオルガン作品ばかりに焦点が当たり,それ以外のカタログは皆無に等しいカルク=エレルトのフルート作品を集めた,殆ど唯一といって良いCDです。フランス近代の作曲家の作品表を見れば一目瞭然なように,軽く柔らかい音色を持つフルートは,彼らに最も好まれた楽器。一方独近代にフルートの名品がそれほど多くないことを見れば,この楽器の特質は明らかでしょう。果たしてこの作品は,作品番号も全て100番以降と後年のもので,カルク=エレルトの知られざる側面=フランス被れな側面を,他のどんなCDよりも見事に抽出したもの。1966年生まれのフルートはブタペスト音大卒。東欧出身らしく,ランソム・ウィルソンと同じサンキョーのフルートを使用。マルコ盤ピエルネのソナタ集で吹いたイシュツヴァン・マトゥッツや,セルジュ・ボードが指揮した1960年代のチェコ管の首席フルート(誰かは失念)あたりを彷彿させる湿って重い音色は,やっぱり曲に合わないとの感が拭えませんけれど,ヴィルトゥオーゾ至上主義な東欧圏らしく技術的には的確。ドイツ人とは思えぬほど柔軟な曲書きの才能に改めて感心させられる一枚です。お薦め作。
★★★★ "Trio in D minor / Sonata for Clarinet Solo / Sonata No.2 in B major / Quintete in C minor" (Hungaroton : HCD 32166)
Fruzsina Káli Fonyódi, Béla Horváth (ob) Hona Csizmadia (e-hrn) József Gábor (p) Lajos Rozmán (cl) György Lakatos (bssn) Péter Soós (hrn)
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カルク=エレルトには,かなりの量のオルガンやハーモニウム作品があり,今日聴かれているのも,専らそのジャンル。そして勿論,私もそこから入り,ついつい過大評価してはこうして周囲の芥溜めを漁っております。この御仁,作風は結構転々としていたようで,ピアノ作品はピンぼけ気味なシューマンといった印象。結論から申せば,日和見作家との印象に今回も輪を掛けることになってしまいました。初耳の奏者は1969年ヴァクー(Vác)生まれ。フラグスタッフおよびコンスタンツァ国際コンクールで一等を獲った腕利きさんということで,演奏は失礼ながらアヤシイ会社フンガロトンとは思えないほど良い。彼は近現代音楽が結構好きらしく,このレーベルには他に,多分管見の限りでは世界で唯一,ボザのクラリネット作品集も録音。なかなかどうして男気のある方と見ました。そんな姿勢がハンガリー著作権庁からの表彰されたこともあるようです(表彰したお役所も日本とはエライ違いですねえ・・)。そんな腕利きの演奏で,フルート作品集は過去最も印象派っぽかった彼・・となれば,これはロイヤル・ストレート・フラッシュに違いない!との読みだったんですがねえ・・。『ロ調のソナタ』は楽章ごとにミヨーの『協奏的二重奏』とプーランクのソナタをカップリングしたような佳品なんですが,初期の『三重奏』『五重奏』は脂汗を禁じ得ないバロック崩れの擬古典サロン音楽。独奏ソナタでは無調風のそれが入ってますし,ホントにカメレオン・・というか作風はあちこちに飛んでますねえ・・ここまで一貫性がないと,もう素人っぽいかも。色々な語法を学ぶべく書いてみました・・だったのかな・・(´~`;) もうど~でもいいっす。演奏は優秀なので,『ロ調のソナタ』2曲に賭けてみたいという奇特な方は買うがいいさ!うっき~!
★★★★☆ "Orgelwerke Vol.4 : Triptych / Sequence II / Chorale Improvisations / Homage to Handel" (CPO : 999 036-2)
Wolfgang Stockmeier (organ)
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全く何ひとつ期待することもなく買ったCDが思いがけず掘り出し物であったりすると,CD先物買いは止められなくなるものですが,このCDは久々に良いですねえ。作曲者は,今では全く知られていませんがライプツィヒ音楽院で教鞭を執った人物。近代和声法についての自書でも知る人ぞ知る知性派。グリーグに深く傾倒した作風は,一般的なドイツものとは一線を画し,師匠の持つ朴訥なロマン派オルガン曲の旋律と,ポスト近代(アランやラングレら)オルガン曲の持つ神秘主義的傾向を折衷したもの。あくまでロマン派的な旋律をベースにしながらも,スクリャービン的異教徒モード趣味を援用して主題を大きく拡張し,どこか大人しめのトゥルヌミール的な風情で耳を愉しませます。ジョンゲンからデュプレ,トゥルヌミール辺りまでの色彩感溢れるオルガン曲が好きな方なら,間違いなく快心の笑みを浮かべることになるでしょう。演奏するストックマイヤー氏はコローニュ・プロテスタント音楽院で院長を務めている御仁。やや大人しいながら襟の整った好演奏ではないでしょうか。
★★★★☆ "Orgelwerke vol.3" (CPO : 999 035-2)
Wolfgang Stockmeyer (organ)
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グリーグに私淑したオルガン好きの作曲家,カルク=エレルトの作品は,CPOが肩入れして録音を進めており,彼の本分であるオルガン,ハーモニウムの作品は,大半はこのCPOのシリーズで揃います。本盤は,コローニュ・プロテスタント音楽院院長のウォルフガング・ストックマイヤーが手がけるオルガン作品集の第3集で,『10の個性的な音の小品』と『3つの水彩画』という,いずれも1911年に書かれた2作品が収められています。第4集同様,こちらも師グリーグの影響下にある朴訥なロマン派書法を基調にしつつ,近代的な和声および旋法を採り入れて,巧妙に主題を引き延ばしていく筆致。恐らくは生真面目な方だったんでしょう。どちらも地味ながら,隠れた佳作。初期のためか,第4集の『三部作』ほど手広い主題拡張芸はありません。それでも第四集をお気に召していただいた方は,ほぼ自動的に気に入っていただけるのではないでしょうか。しかし,ピアノ作品ではやや前近代であるにもかかわらず,なぜオルガン作品では近代的なんでしょうかねえ?楽器の特性ですか?
★★★★ "Orgelwerke vol.2: Phantasie & Fuge / Improvisation / Sequenz I / Kaleidoscope / Choral-Improvisationen" (CPO : 999 034-2)
Wolfgang Stockmeier (organ)
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結構買っている割に,「オオッふれんち!」と思えたのはフルート曲くらいだったような気がしないでもないカルク=エレルト。教育者の傍らオルガニストとして生計を立てていた彼らしく,現在のところ入手可能な作品集は大半が風琴系です。本盤は,1960年からコローニュ音楽院教授としてオルガン,即興演奏と楽典の教鞭を執るウォルフガング・ストックマイヤーが制作したカルク=エレルトのオルガン作品集第二集で,1905年から1910年に掛けて書かれた,3編のオルガン曲を収録しています。ご承知の通り,この御仁は初期にはグリーグやシューマンらのロマン派路線から出発し,次第にドビュッシーやスクリャービンのモダニズムへ接近した作曲家ということになっています。恐らく,オルガン曲としては比較的早い時期の作品なのでしょう。禁欲的かつ控えめにロマン派情緒を秘めつつも,あくまで基本はバッハ的な形式感を持つバロック的主旋律。旋律は基本の拍子を外さぬよう三歩下がって歩みを進め,前後の因襲的連関で前後の脈絡が容易に把握できる,保守的な筆致のオルガン作品です。以前耳にした『第四集』に比べ,まだ伝統的ロマン派の傍流だった時期のものが多いことが理由でしょう。それでも,最も遅い時期に書かれた大規模な『即興とコラール』辺りになると,後年の『三部作』に通じる,ラングレ突入前夜の拡張型モード・スタイルの萌芽くらいは感じることができますし,保守的かつ地味ながらどれもメロディアスで,近代駆逐艦の魅力くらいは十分に味わえるのでは。ストックマイヤーさんの演奏は,いまひとつ即興性が希薄で,ちょっとのっぺり一本調子で起伏に乏しい気はしますけれど,曲を聴く分には問題ない好演です。
★★★☆ "Piano Works vol.1 :
Hexameron / Bagatellen / Arabeske / Schwere Düfte / 3 Walzer-Capricen / Partita" (CPO : 999 683-2)
Ernst Breidenbach (piano)
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オルガン作品を聴いて吃驚,ちょっと集めてみようと購入したカルク=エレルト。CPOは,この知られざるマイナー作家に彼に殊の外肩入れしており,前述オルガン作品とこの2枚のピアノ作品集のほかにも,2枚組のハーモニウム(一種の室内用オルガン)作品集があります。で,内容なのですが・・・オルガン作品とはまるで異質の,ロマン派田舎風サロン音楽。手元の資料では,年齢とともに作風は大きく変化した人物のようなので,案外とグリーグにとことん憧れ,彼の叙情小品集を目指して朴訥なドイツ・ロマンティスト道を模索し続けたのかも知れません。後年の作品も含むこちらは多調様式になり,少しは近代的な面も顔を覗かせますが,ロマン派寄りの作風が延々と続きます。その手の音楽が好きな方には秘曲として楽しめましょうが,近代の煌びやかな色彩感はほとんど期待できません。演奏は良いです。
★★★☆ "Piano Works vol.2 :
Walzerszenen / 4 Stücke / Aus dem Norden / Partita / Reisebider" (CPO : 999 711-2)
Ernst Breidenbach (piano)
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カルク=エレルトのピアノ作品集の,こちらは第二集です。ここでも,やはり彼の書法のベースはシューマンの周辺にあるでしょうか。グリーグに私淑したという経歴が示すとおり,彼のピアノ曲はシューマンほど構築的でなく,もっと朴訥なロマン派様式。後期ロマン派前期の作風といったところでしょうか。優美なフランスのサロン音楽,それも装飾音の多い絢爛としたものではなく,もっと田舎臭くて,のんびりとした風情を持った作風です。当然ながら,印象主義の作品としての魅力はほとんど皆無で,近代ものを愛好する方に訴える魅力は殆どなし。こちらをご利用なさる方にはあまり推薦できませんですねえ。ピアノのブライデンバッハははコローニュ音楽院でアロイス・コンタルスキーに師事し,現在はダルムシュタット音楽院ピアノ科で教鞭を執る人物。技量確かです。